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カンディハウスジャーナル:SPECIAL

ロマンのある家具。- BARCA[バルカ]

BARCA[バルカ]

「国際家具デザインコンペティション旭川2008」でこの作品を見たとき、私たちはデザイナーの豊かな才能に驚きました。非凡で面白く、ディテールにも気が配られています。売れるかどうかの前に、その圧倒的な造形力で製品化を決めました。
小舟をモチーフにしたこの椅子は、見る者をごく自然に川や海といった「水」のイメージへ導きます。水に浮かぶ船は人にとっていわばシェルターであり、包まれ救われるものの象徴。また大陸と大陸、人と人をつなぐツールでもあります。人の門出や旅立ちも、電車や飛行機よりなぜか船が味わい深い。岸を離れるわくわく感や、別れの余韻が残ります。
28ピースのプライウッドがそれぞれにスライドして、最後には球体に近付いていく構造ですが、ランダムになった端の部分に趣があります。形が崩れて朽ちていく。つまり 「自然」に近くなっていくことに、こうして美を見出すのは日本人だからでしょうか。


ラウンジチェアー
w:1255 d:1175 h:785 sh:255 ¥840,000 ※可動式 ※表記寸法は最小サイズです。

> バルカについてはこちら

カナダのインテリア雑誌'Plaisirs de Vivre / Living with Style'誌
「BARCA」は、カナダのインテリア雑誌"Plaisirs de Vivre / Living with Style"誌(2010/6-7月号)で、「その独創性は、ルーマニア出身の芸術家コンスタンティン・ブランクーシの彫刻を連想させる」と紹介されました。
※コンスタンティン・ブランクーシ:ミニマルな作風で20世紀を代表する彫刻家。

日本の「畳」のように自由な、「空間」としての椅子。

面白そう、からの発想。
 BARCA[バルカ]は、小舟のイメージでデザインしました。約3年前、デザイン大学時代に浮かんだアイデアをもとに、試行錯誤を重ねて今回最終形に至ったのです。  ボートを家具にすると考えたとき、まず丸みを持たせたかった。さらに「形が変えられたら面白いな」と思ったんです。材料を前に、あれこれ動かす方法を探していて閃いたのが、板をスライドさせる発想。これなら大きく広げたり、逆に小さく見せたりと毎日違った形が楽しめます。
 応募作ではパーツ同士のジョイントにテレビアンテナのフィーダー線を使いました。これはいろんなものを試して悩んでいた僕に、友人がくれたアイデアです。友人のひと言に救われることは、よくあるんですよ。

家族で遊んでほしい。
 この製品が一見椅子に見えないのは、座ったり寝たり、「空間」として考えてほしいというメッセージです。以前から日本の手工業や文化、宗教観、そして生活様式に興味がありました。たとえば日本の畳の部屋はいろんな使い方ができますよね。「BARCA」も床に近い生活道具として考えたんです。今回日本の展示会で、赤ちゃんを乗せていた人がいたと聞きました。そんなふうに家族で遊んでもらえたらとてもうれしいですね。
 自分の手でつくった作品を、企業との共同作業で製品にしていく過程は、今までにない経験でした。このような機会に恵まれたことは大きな喜びです。製品化自体が初めてでしたし、カンディハウスからは何を聞いても専門的な答えが返ってきて、ポジティブな意味で驚きの連続。特にレスポンスの早さは、デンマークにはないものです(笑)。椅子は一層よいものになりました。強度も上がって、大人が飛び跳ねてもOK。あぐらをかいたり丸くなって寝転んだりいろいろな使い方をしてもらえると思います。

Jakob Joergensen ヤコブ・ヨーゲンセン  DENMARK:1977年生まれ。デンマーク・デザインスコーレ(コペンハーゲン)を卒業。2006年Sydform賞第2位。2008年の国際家具デザインコンペティション旭川で、応募作「BARCA」が最高賞を受賞。これまでにない造形と、デザインの可能性が評価された。

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